昨日、今日の2日間、長野市松代町にある熊野出速雄神社社殿の実測調査を行いました。 熊野出速雄神社は皆神神社の名でも知られ、周囲の山並みから独立した姿が特徴の皆神山の山頂にあり、来年で鎮座1300年という歴史ある神社です。 今回、神社のご厚意でこの建物の調査を行うことができました。 両日とも天候にも恵まれ、山頂の澄んだ空気の中での気持ちの良い調査でした。 初日は野帳の作成と軸部の計測、二日目は細部と屋根部分の計測と各部の写真撮影を行い、図面作成に必要なデータを記録しました。 今回調査した建物は善光寺本堂と同じ「撞木造」という特徴的な形式で、また経年変化をした部材もあったことから、これまで見た建物とは勝手の違う部分もあったでしょうが、野帳作成、計測ともに考えたり相談したりしながら作業をしました。蚊や蜂と遭遇しながらも、協力して手際よく進められた結果、予定よりも余裕を持って終えることができました。
中世に建立された建物に触れて実測できる機会は貴重で、学ぶことが多くありました。 参加したみなさんも、ゼミナールで木割書などの文献から得た情報と、今回の調査で得た実物の建物とを関連させて理解できたのではないでしょうか。ぜひその辺りを意識して作図を進めてもらえれば面白いと思います。 皆で良い図面を仕上げて神社へお渡しできるよう頑張りたいです。(米)