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ゼミナールⅡ

 ゼミナールⅡでは、近世の大工技術書の読解と図化を行っています。

 当時の大工は部材の寸法や組み上げる位置を文字で記し、時にはそこに図(平面図、立・断面図)を添えて、建物を記録しました。現実世界やイメージの中にある建物を文字に変換して残したのです。

これを、もう一度図に直し、そこに描かれた建物を再現しようというのがゼミナールⅡでの実習となります。

 文字で書かれた情報を図にするだけの単純な作業に思えますが、現代とは異なる用語や、特殊な部材、不完全な(当時の大工にとっては書くまでもないことも含まれます)記述など、一筋縄ではいきません。

 ですので、作業は似たような現存建物の図面や写真を見たり、言葉を辞書で調べたり、他の大工技術書を見たりしながら、時には先輩方に聞きながら、内容を推理して進めていきます。そして、その成果を皆の前で発表します。一つの建物について書かれた内容を全員で分担して行うため、最後の人の発表が終わった後に、全体を組み合わせて文字で書かれていた建物が姿を現すことになります。

 この作業を通して、歴史的な資料から情報を得る方法、伝統的な木造建築を見る際の要点、木造建築のスケール感などを養ってもらえればと思います。

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